2015 J1第23節 湘南ベルマーレ対清水エスパルス。日本平の悪夢はついに終わりを告げる。
清水エスパルスのホームスタジアム、日本平。
その日僕は泣かないと思っていました。すでに残留できないことは分かっていたから。
それにその日は行かなかったから。
だけどテレビで降格の瞬間を見たときに涙が止まりませんでした。
僕はサポーター歴は長くない。たかだが10年程度。2003年から。
ちゃんと通えるようになったのは2004年。もしかしたら05年だったかもしれません。
ですから僕は降格するということは知りませんでした。初めて知りました。
本当に悔しくて仕方がなくて、今まで必死に積み上げてきたものが音を立てて崩れ去っていくような・・・。傷つけられ、蹂躙され。もう二度と這い上がれないような。
二度目の悪夢は2013年。
再び這い上がったベルマーレはまたしてもJ1の高い壁に阻まれていました。
しかし川崎戦で中断期間に補強したアレックス・サンターナとウェリントンが見事融合。マリノスとも接戦を演じ、残留できるんじゃないかという希望とともに僕は日本平に向かいました。
その行きの電車が事故で遅延。急いでルートを変更して飛び乗った新幹線で二度目の悪夢を知りました。
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人って本当にびっくりしたとき笑うんですね。僕はこの時笑いました。
そしてひとしきりおかしな笑い声を上げたあとに、ただ呆然としていました。
向かった先での試合は本当にひどいものでした。
ターゲットが減った前線はウェリントンがひとりで孤立。
0-2にされた後に大介がスーパーゴールを決めるものの直後に岩上がレッドカードで退場。さらに追加点まで決められ1-3で敗北。
何より僕が一番絶望したのが清水のFWラドンチッチの存在。
残留争いのライバルがあんなにすごいFWを補強するのか。
そしてベルマーレは補強どころかエースストライカーが出て行ってしまうのか。小さな市民クラブにJ1は無理なのか。そんなことすら感じました。
だけど2015/8/12。ついに悪夢は終わりを告げました。
エスパルスはピーター・ウタカや大前をはじめとした強力な攻撃陣。
さらに中断期間に強力な助っ人を補強。その名もチョン・テセ。
一方のベルマーレは中断期間の補強は将来性を見据えた若手選手のみ。
だけどベルマーレにはあの頃悔しさを味わい成長した選手たちがいました。
一点目は2010年に大学4年生だった永木。見事なクロスがオウンゴールを誘いました。
2010年に先発出場した島村は決勝ゴールを決めてヒーローになりました。
あの時まだ高校生だった遠藤航は日本代表になりました。
レンタルに出されていた大介、ベンチに入っていたコバショウ。
永木と同様に特別指定選手でまだ大学生だった英二郎。
2010年の悔しさを知っている選手たち。そして2013年の悔しさを知っている大槻も最後まで体を張り続けてくれました。
そのあとに来てくれた選手たちも。本当にありがとう。
・・・
ついに悪夢は終わりました。あの時どうあがいても勝てないと思ったエスパルスに因縁の地でついに勝つことができました。これは未来につながる一勝。悪夢が終わったことを告げる一勝。
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キャプテン永木亮太が2014年のボイスで言っていました。
来年だけじゃなくて再来年、その次の年も成長していくために、サポーターの力も一緒に上げてもらえるように。その最初の年である来年は勝負の年、お互いに成長できるように頑張りましょう
【ボイス:12月24日】永木亮太の声 « 湘南ベルマーレ公式サイト
今までの辛かったことを振り払って、ベルマーレがこれから飛躍していく最初の年。
2015年はベルマーレがもっと成長していくための最初の一年。