本日こんなニュースが流れてきました。
市船橋DF杉岡が湘南加入へ 屈指の逸材、4クラブ争奪戦の末に (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
FC東京、千葉、名古屋。湘南以外全てのクラブが監督を解任しゴタゴタしているとはいえ、ライバルは全てはるかに資金力が上のクラブ。こういう子がベルマーレに来るとは・・・。
FC東京と争奪戦やってうちが勝つ時代がまさかこようとは・・・。
— SR (@sr2460) 2016年7月25日
これはすごいことですよ。
杉岡くん。ようこそベルマーレへ!
こういう報を聞き、この10年やっていたことはやはり価値があったんだなと思わずにはいられませんでした。
今のベルマーレの育成
昨年神谷優太を等々力で見たときこのレベルの子がうちに来るのかと感じずにはいられませんでした。
そして今年の争奪戦での勝利。湘南というクラブの規模を考えれば驚きもあるかもしれません。
ただ近年ベルマーレは多くの優秀な人材を世に送り出せるようになったのも事実です。遠藤航。古林将太といったユース出身の選手はもちろんですが、高山薫、永木亮太のような大卒選手の育成でも実績を上げています。
岩上祐三は大宮で10番を背負うような選手に成長いたしました。
五輪代表選手にまでなった亀川諒史はもともと卒業後の進路はサッカー選手ではありませんでした。
また、湘南ではなかなか出場機会が得られなかった選手が新天地で活躍するといったパターンも増えています。
岩尾憲は水戸で絶対的な選手として活躍。白井康介も貴重な戦力として活躍しています。怪我をしてしまいましたが鎌田翔雅を見ていると紆余曲折あったサッカー人生の中でとても大事なことを学んでくれたんだなと思わずにはいられません。
菊池俊介や三竿雄斗のようにひと昔前では手が出せないような選手が入団するようになったのも選手自身が「湘南でサッカーに打ち込めば得られるものがある」と判断しているからにほかならないと思います。
もちろん全員が成功するわけではなくうまく才能を引き出してあげられなかったと思う選手も多くいます。しかしやはり昔に比べればその比率は随分下がったように感じられます。
そしてかつてのベルマーレ
かつてのベルマーレ。俗に言う暗黒時代というやつですか。
それを体験していていつも思っていました。「このクラブは不幸だ」。
それは弱いから見ていてストレスがたまるということもありますが、それ以上にプロとして入団してくる選手にとって非常に不幸だと思ったのです。
毎年毎年成績の不振から監督を解任し、その度に目指すサッカーがまったく変わってしまう。理念はなにか?湘南ベルマーレの大事にしていることって何?どんなサッカーをしたくてなにを大事にしているの?
その理念のなさは選手の価値に直結しました。
この選手のなにが良いと思って獲得したのか?どういう成長を期待しているのか?
なによりチームの中でどういうプレーをして欲しいのか?
それが全く見えませんでした。
成績が悪いから不幸なのではない。
やるサッカーや必要な選手がころころ変わり、監督や選手を使い捨てるクラブ。
「仮に僕がサッカー選手ならばこのクラブには行きたくない」
サポーターの僕でさえがそう思ってしまった。
ベルマーレがそういうクラブであることがなにより不幸だと感じたのです。
改革と結実
ここからはよく知られている話です。真壁会長(当時社長)が大倉智GMとチョウ・キジェ監督を招聘。
クラブとしての骨格を作り、選手の獲得から育成、チームのスタイル、ホームタウン戦略にいたるまで、様々な部分に落とし込むようになったのです。
かつてのクラブカンファレンスでおじいさんが叫んでいたのを今でも覚えています。「このクラブにはビジョンが無い」
まさにその通りだと思いました。
あれから10年以上経っているでしょう。
ベルマーレにビジョンはあるか?ベルマーレはなんのためにあるのか。
そして来てくれる選手のことを真剣に考えているか?
思い返せば思い返すほど。
やはりこのクラブはだいぶ変わってきたように思います。
湘南ベルマーレの無形の価値
J1のクラブに行きたいのであればFC東京に行けばいい。
資金力などを総合的に考えれば、僕はそう思います。
だけど彼は湘南ベルマーレを選んだ。
出場機会などの要素はもちろんあるでしょう。FC東京のサッカーより湘南ベルマーレの方が自分のプレイが活かせると思って加入を決めたのでしょう。
しかしチームのスタイルと自分のプレイが合っている。そう思ってもらえる。
文字にするとそれだけのことを積み上げるのがなんと大変なことか。
それはベルマーレが積み上げてきたもの。お金や成績だけではわからない無形の価値なんだと思っています。
「このクラブは不幸だ」
最後に思ったのはいつだったか?
J1で降格圏に沈んでいる今でもそんな思いが去来したことはありません。
湘南ベルマーレにようこそ杉岡大暉くん
最後に
杉岡大暉くん。ようこそ湘南ベルマーレに。
選んでくれてありがとうございます。
このクラブは君の出場機会も成功も何も保証してはくれません。
ただしこのクラブはサッカーに真摯にうちこめる。ずっとクラブを見てきたサポーターとしてベルマーレがそういうクラブだと保証することはできます。
例え監督がフロントが変わっても、がんばる選手にとって幸せなクラブを目指していきますのでどうぞこれからよろしくお願いいたします。