中村祐也が町田ゼルビアに完全移籍しました。
サッカーの実力もさる事ながらその人格はとても素晴らしいです。
【社長のPHOTO日記:1月2日】特別編:1205 希望の戦地より « 湘南ベルマーレ公式サイト
僕はこの記事の契約更新のエピソードが好きで、祐也の人柄がよく出ているなといつも思います。
~以下抜粋~
中村は浦和サポーターなら誰でも知っている、下部組織からプロ契約した生え抜きの選手だ。昨年、契約更新を検討した会議ではそれほどの出場実績でもなかったのに更新が早々と決まった。理由は去就の決まっていなかった菅野監督、大倉ともに非常によく練習するという評価だった。「いつか必ず花咲きますよ」と菅野に言われた。い・つ・か、ではなかった。彼の能力を見抜いた反町の功績もあるが、何よりあきらめずにやり続けた祐也を褒めてやりたい。それだけに最終戦のピッチに立てない彼を思うと声をかけずにはいられなかった。電話では正確に何を話したか覚えていない。お前がいなければここまで来れなかったということ。人生にはいろいろなことが起こるということ。そんな話をした気がする。中村は感謝の言葉を何度も繰り返していた。J1に行って浦和のピッチに立たせてやりたい、そう思った
さて、今回は祐也がなぜ凄いのかその点について解説します。
祐也といえばスナイパーと呼ぶにふさわしい決定力。
一撃で仕留める力はベルマーレで最も優れており、怪我さえなければ十分J1で活躍できる選手です。
まず下の動画を見てください。
第12節 2009年5月2日 湘南ベルマーレ vs セレッソ大阪 - YouTube
祐也のゴールはこのパターンが多いです。
裏に抜け出して1対1に持ち込んでシュート。
僕は1対1で祐也が外した記憶がありません。
このゴールですが、勝負は実はトラップの時点で決まっています。
ゴールキーパーの基本的な動きは、ゴールの中心から相手に向かっての直進です。
これが正しい角度で行われていればほとんどのコースを限定することができます。
逆に言えばゴールキーパーがポジション取りを間違えると、ゴールというのはいとも簡単に決まるのです。
ポジション取りは正しいが、ゴールに張り付いた状態のため膨大なスペースをカバーしなくてはならない。
相手に向かって直進する。手を伸ばせばかなりのスペースを「消す」
ことが出来る。
ポジションが間違っているとスペースを消せずに簡単にゴールを奪われてしまう
ゴールキーパーのコースを消す動きは、相手がゴールに向かってくる場合の方が簡単です。
上の写真のようにまっすぐに向って来ればいいだけですので。
一方で相手にゴールから遠ざかる動きをされた場合にはポジショニングがぐっと難しくなります。
正しいポジショニング
相手がゴールから遠ざかる動きをする場合。
ちょっとした進行方向のズレ、進行するスピードのズレでポジションがずれてしまう。
ニアサイドが空いてしまうパターン
ファーサイドが空いてしまうパターン
ならばストライカーは常にゴールから遠ざかる動きをすることで得点を量産すればいいのではないか、そう考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それは間違っています。
この動きには自分からゴールへの角度を狭めてしまうという欠点があるからです。
ストライカーはゴールに向かっていけば、角度があるのでシュートコースを確保できる。
ゴールから遠ざかる動きをすると角度が狭くなるためシュートコースが狭くなる。
矢印に接していない、下の三角形は上の図のものなので角度の違いを分かっていただけると思います。
つまりこのパターンでゴールをするためには、ゴールから遠ざかることでゴールキーパーのポジションを巧みにずらし、なおかつわずかに空いたシュートコースに確実にボールを蹴り込む必要があるのです。
第4節 2009年3月25日 コンサドーレ札幌 vs 湘南ベルマーレ - YouTube
これも全く同じパターン。
しかも空中に浮かしているのも同じですね。
中村祐也はフィニッシュでチップキックでボールを浮かす場合が多いです。
ゴールキーパーはボールに向かって手で捕球をしに行きます。
当然どこかでしゃがむ姿勢を取らなければならない。
また、ボール方向に重心をかけて飛び込んでくるのですから重心のかかっていない逆方向にゴールキーパーがセービングをするのは不可能なのです。
つまり中村祐也は、ゴールキーパーがボールを捕球するために体勢を低くした所にゴールキーパーの重心と逆のスペースにボールを浮かしてゴールを決めているのです。
この画像は世界一のゴールキーパー「ノイアー」きちんとそのコースを
ケアしていますね。
しかしこの後さらにしゃがみこむ動きをするので、最終的に重心の逆方向のシュートコースをあけてしまいます。
中村祐也はそのコースが空いたタイミングを冷静に、そして確実に決める技術を有しているのです。
ちなみに最初のトラップをミスしてゴールキーパーにまっすぐ向かっていくと、このパターンが非常に難しくなります。
ゴールキーパーはまっすぐコースを消せばいいだけなのでどちらかに重心をかける必要が無いのです。
例えばこの状態でC.ロナウドが右側にドリブルをすればゴールキーパーはロナウドに向かって、飛び込んでいかなければいけないですよね。
そうすればゴールキーパーは左方向に必ず重心がかかるのです。
祐也はゴールキーパが一定方向に重心移動をしなければならない状態に持ち込み、その状態から、ゴールキーパーの重心と逆方向にゴールを決めているのです。
このパターンではキーパーが前に出てきませんでした。
極力ポジションをずらされたくなかったからでしょう。
重心も無駄に動かさずじっと構えています
しかし祐也は高く構えているGKを見て、低めのライナーで反応できない場所に反応できないスピードで打ち込みました。
しかも利き足じゃないんですよ!?
これ左だよ!!!!
天才でしょ?祐也は天才ですよ!
最近僕がお気にいりなのはこれ。
ジェフ千葉'11 vs湘南@平塚 2失点目(中村祐也) JEF United Chiba fans 17,Jul,2011 - YouTube
まずゴールキーパーにむかっていくことでキーパーをまっすぐ自分に向かわせます。
その後に外にドリブル。
ゴールキーパーはゴールから飛び出している状態で、さらにポジションを取りなおすというのは非常に難しい。
祐也はファーストトラップとその次のタッチでゴールキーパーをきわめて難しい状況に追い込んでいるのです。
前にポジションをとった状態で正しくコースを塞ぐのは至難の技です。
GKが本来したい動きとどうしてもズレが生じます。
実際のゴールはこの図よりも数段えぐい角度で侵入してますね。
このゴールは本当に理詰めで、計算しつくされたものです。
そしてそれを可能にする技術。冷静さ。
ゴールを狙うスナイパーとはまさに彼のことです。
理詰めのゴールとそれを可能にする技術。
中村祐也は天才です。
町田ゼルビアの皆様おめでとうございます。
この天才ストライカーが実力を発揮すれば必ずJ2に昇格できます!!
祐也のゴールを見つけられるだけ見つけてきたので、その美技をご堪能ください。
それでは!!!
2010/06/09 ナビスコカップ神戸戦 中村祐也GOL - YouTube
20120617_湘南-岡山中村祐也ゴール - YouTube
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Nakamura Goal ハットトリック達成 UrawaReds - YouTube
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天才中村祐也が躍動し、町田ゼルビアが躍進することを楽しみにしております。