あの日泣いた高山薫
2013/8/24
68分。大竹洋平のスルーパスに高山薫が反応。フリーの状態で放ったシュートは。しかし枠外に逸れていく。
2013/8/24 湘南ベルマーレ1-2ヴァンフォーレ甲府 試合終了
湘南ベルマーレ。ヴァンフォーレ甲府に敗れる。
試合終了後。チョウ・キジェ監督がShonan BMWスタジアムのゴール裏に現れる
「選手たちは一生懸命この結果に向き合ってやってくれてるんで」
「でも結果だよ!」
「練習一生懸命やったって、試合で出来なきゃしょうがないんだよ」
・・・
「高山はシュート外して泣いて謝ってたんで、もうそれを責めてもしょうがないんで」
「選手に今こさせるわけにいかないから・・・」
2013/8/24 湘南ベルマーレ1-2ヴァンフォーレ甲府
勝ち点差1で迎えた直接対決。敗れた湘南ベルマーレと勝利したヴァンフォーレ甲府との勝ち点は、その後絶望的なまでに広がっていく。
2013/11/23
湘南ベルマーレJ2降格。
同年。高山薫の柏レイソルへの移籍が発表される
あの日泣いた高山薫は。湘南ベルマーレを離れることになった。
きっともっと上に行くために。
2014/9/23
湘南ベルマーレ。1年でJ1の舞台に返り咲く。史上最速昇格という記録とともに。
2014/12/24
高山薫。湘南ベルマーレに電撃復帰。名門柏レイソルでレギュラーを掴んだ男のまさかのカムバックだった。
「もう一度本気で湘南の一員として戦いたいと思いました」
高山薫は2015年のJ1を湘南ベルマーレで戦うことを選択する。
きっと今度は湘南ベルマーレとともに上を目指すために。
2015/4/4
復帰後初ゴール
2015/4/29 64分
復帰後ホーム初ゴール。ゴールが決まった直後。走り出す。ゴール裏へ飛び込んでいく
2015/4/29 18:00頃
湘南ベルマーレ。屈辱の3連敗を乗り越え勝利を掴む。
チームを救ったのはあの日泣いた高山薫だった。
「この前みたいな気持ちの見えない試合はもうしないんで」
その言葉とともに、平塚の空にチャントが響く。高山薫のチャントがいつまでも。
あの日泣いた高山薫。あの日チームを離れた高山薫。
あの日再びベルマーレを選択した高山薫。
きっと簡単ではない決断。
簡単ではない状況。だからこそ彼は結果で証明し続ける。
自分が再び戻ってきたということを。
もう一度本気で湘南の一員として戦うということを。
今期すでに6得点。
きっとそれは悔しさを味わった男の物語。
あの日泣いた男のエースの証明。