2015 J1第12節 湘南ベルマーレ対柏レイソル 秋元陽太、イ・ホスン、菅野孝憲。素晴らしいゴールキーパー達!
湘南ベルマーレ対柏レイソル。
見ごたえのあるゲームでとても満足でした。
こういう試合が見たいんですよ!!スコアレスドローでも本当に満足度が高かった!
そして今回はいつもと趣向をかえてゲームレビューではなく、ゴールキーパーの3つのプレーをレビューしようかなと思います。
まず動画の最初の秋元陽太選手のプレー!
これは本当に勇気のあるプレーです。
最初秋元は最短コースでボールの捕球地点に向かいました。
しかしそこでアクシデントが・・・。
進行方向にベルマーレとレイソルの選手がいて思い描いていた進路に進めなかったんです。
飛び出す秋元
ここで進行方向を回り込むように変更。
秋元はもっと前方でボールが高い位置にある時に処理したかったと思うんですが進路変更の結果ハイボールともロークロスとも言えない非常に難しい位置で対応をすることになりました。しかも相手選手と味方選手が突っ込んできている状態の中に身を投じることに。
実際に見ると体が伸びきっているにも関わらず地面に近い場所を飛んでおり、かなり難しい体勢でボールをディフレクションしています。
このような体勢で衝突するのは非常に危険!怖いです。
しかも頭からいってます。
体が伸びきった状態で頭から突っ込んでいくなんて勇気と責任感がなければできないです。
またこのプレーは技術的にも非常に優れていました。
ゴールキーパーにとって低いボールというか落ちてくるボールを処理するのは難しいんですよ。
イメージが難しいですが、向かってくるボール、まだ高い位置にある弾道は流れに逆らわずにボールの下面をパンチングすれば遠くに飛ぶんです。
この動画も落ち際の向かってくるボールを高い位置でインパクトしていますね。
(この動画では板を使ってます)
ボールの下面を叩けば、向かってくるボールの反発力も利用すれば結構遠くに飛ばせるんです。
だたし今回の秋元のプレーではボールが低く、なおかつ失速している状態。進路変更の結果、下面をインパクトするのも難しい軌道でしたし、ボールの威力を利用して遠くに飛ばすことも難しい。
ですから秋元は手の形をグーにしてのパンチングはせずに少しでもボールに触れる面積を増やすためパーの形でのディフレクションにプランを変更しました。
(秋元が走ってくるシーンをみると、途中までグーでのパンチングで弾きにいくような握りをしていると思いますが最後にプラン変更をしているように見えます)
ボールをエリアの外にまではかきだせませんでしたが、エリア中央ではなく危険の少ないサイドにボールを逃がしていますし、なにより相手選手が突っ込んでくる中でのプレー!
勇気と技術が揃っていなければ出来ません。
動画で分析すればするほど素晴らしいと感じます。
その秋元はこのプレーで首を痛めて交代。ゴールキーパーはイ・ホスンに。
(ちなみに秋元は大丈夫でした。【会長のPHOTO日記:5月14日】25 « 湘南ベルマーレ公式サイト)
続いては変わって入ったイ・ホスンのファーストプレー。
彼のプレーの特徴はなんといっても強気のハイボール処理。高めのシュートをストップする技術も高く、頭を越されないキーパーです。
(ただしたまに強気すぎてやらかす)
プレー集
彼はクロスの場面になった時にかなり強気に前に出るんですよ。
同じプレーではないのですが秋元と比較するとクロスの際に前に出ているのがわかっていただけると思います。
ただこのシーンでは飛び出すのは不可能と判断。
シュートストップのポジショニングに。
初めてこのやり方でポジショニングを確認したのでちょっと自信ないかも・・・。
線と円を引くのが難しい。
ちょっとニアが空いている感じがあるのとプレジャンプの大きさが気になるところですが、それにしてもシュートストップは素晴らしかった。
やはりクロス、シュート、どちらをとっても彼のハイボールの処理は素晴らしい。
今季リーグ戦初出場の緊張する場面でいきなりこのプレーができるのは実力のある証拠ですし、出番がなくベンチ入りすらできないことがあっても腐らずにしっかりと準備をしてきた成果です。
ゴールキーパーって試合に全然出られなくて悔しい思いをするんですよ。
ポジションがひとつしかないから出られない。
それでも腐らずやり続けなくてはいけない。ですから出られなくても頑張ってきたホスンが見せたこのプレーを褒めてあげて欲しいのです!
余談ですがポジショニングに関してはこの方のブログが参考になります。
【GK論】なぜ「ポジショニング」は重要か?chanchakorinmanyoji.wordpress.com
そして最後は敵ながら素晴らしいプレーを見せた菅野孝憲。
僕はこのプレーが一番好きかも。
一対一になると判断した瞬間に一直線に前にでてコースをつぶす
ここでイメージして欲しいのが、前に出るとループ打たれやすくなるがシュートコースも消えるということ。
以前ノイアーくんを使って説明しました。
ループシュートは打たれやすくなるが前に出れば出るほど手をのばすだけでボールを抑えられるという利点も。よりプレッシャーがかかることもあり、前に出ているからループシュートが絶対に入りやすくなると一概には言えない。
なにより菅野選手は素早く前に出て適切かつ相手にプレッシャーがかかるポジションを取った。このスピードは本当に素晴らしかったです。
さらにその後わずかなステップをしつつギリギリまで動かずじっくり我慢。
無駄に動かないことで走り込んできた高山選手にららなるプレッシャーをかけます。
高山選手がボールに追いついたもののシュートは入らず。
見てください下の画像を本当にぎりぎりまで倒れない。動かない。我慢!
シュートが打たれてから対応をしています。
これでは普通のシュートではなかなか入りませんし、ループシュートも簡単じゃないですよ。ポジション取りの早さやプレッシャーのかけ方が本当に上手だと思う。
こうやって対応されると世界的な名手でもシュートを外すんです。
外しているのはC.ロナウドですね。このシーンも素早くコースを塞ぎ、最後まで倒れないゴールキーパーのプレー。
最後になりますが、今回の試合で僕が気になったのはこの3プレーですが、人によっては違うプレーが気になったりすることもあるかも。
こうやってゴールキーパーのプレー分析をするのもいいものですよ。
参考記事