凌吾が胸のエンブレムを叩いた日。
言葉なんかなくても「俺は湘南で戦う」と伝えてくれた日。
あの日、あの時確信したのは・・・。
「このチームはもっと上に行ける。もっと強くなる。いずれこのチームは永木や航がいたあの時をも超える。」
やっとここまでたどり着いた。
なのにあの日からまるで、僕の時間は止まってしまったようでした。
嬉しさと悔しさ・・・やっと思い出した
仙台戦。浦和戦。チームはなんとか踏みとどまっていました。
だけど時間が経過するにつれて。チームはどんどんおかしくなっていきました。
本当はもっとできるはずのチームがどんどん壊れていくのを見るのはとてもつらかった。本当はこんなものじゃないのに。もっと出来るのに。素晴らしい未来があったはずなのに。
壊れてしまったのは現場だけじゃなくて、あれだけ頼りになる真壁さんや水谷さんも袋たたきにあっていて。でも真壁さんも水谷さんも明らかに疲れていて。実際おかしなことも言ってたと思ったし、そんなこと言ったらダメだって思ったし。本当は素晴らしい人たちだって知っているからそれが余計苦しかった。
チョウさんがやってしまったことは本当にいけないことだし、あの報告書を見て胸が締め付けられるようだった。あれは本当にやったらだめだと思った。
でも一方でお金も力も何もないチームは間違いなくチョウさんを必要としていて、チョウさんじゃなきゃダメで。だからベルマーレというチームはチョウさんにすがって。
最大の功労者には素晴らしい花道を用意してあげたかった。なのにこんな終わり方。
ベルマーレっていういろんな人にひどいことをしたチームがありました。こんな風にこのチームって終わっちゃうのかな。
本当は素晴らしいところがたくさんあるのに。それは伝わらないまま・・・。
選手はもしかしてこんなひどいチームのことは見限って、違うチームに行っちゃうのかな。だって一生懸命やったって、もうどうしていいか分からないもん。
このチームはもう壊れてしまったから。
だけど味スタで先制点を取った時に「点を取るってこんなにうれしかったかな」って思いました。
こんなに当たり前のこと。もうずっと忘れてたんだなって。
ロスタイムに点を入れられて富居が泣いているのをみて自然に涙があふれてきました。
まだこのチームのために全てをかけて戦ってくれるんだって。
ベルマーレに来てずっと試合に出られなかった富居が。あんなことがあったのに。
彼の涙を見て悔しいってやっと思い出せました。
あまりにも辛いことが多すぎて、だけどやっと思い出した。
ずっと当たり前のことだったのに。
昨日の試合は悔しいし。判定にはブチ切れそうだし。頭の中ぐちゃぐちゃしてます。
整理なんてできてません。
世間的に見たらロスタイムにやられて、これは落ちるチームなんだとそう思われているかもしれない。
だけどベルマーレを応援しているなら感じているはず。それは違うと。
だって一度完全に壊れてしまったチームがもう一回ひとつの方向に進もうとしているのだから。普通だったらこのまま終わってしまっていたのに。
残り2試合。もしかしたら3試合。ベルマーレなら奇跡を起こせる。
いや、起こして見せる。そして最後に思いたい。
やっぱりこのクラブが最高なんだって。
こんなクラブだから俺はずっと応援しているんだぞって。