「500億のJ放送権料」21日に理事会で決定へ (日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
NTTとスカパー!を加えて、地上波、ネット、海外版権など、年単位では倍増となる100億円の5年、大型契約となる。その一部は海外大物選手などの獲得資金に充てられるようになる。
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Jリーグは英動画配信大手パフォームグループと、2017年から10年間の放映権契約を結ぶことで合意した。放映権料は総額2000億円超と現契約の約7倍となり、日本のスポーツ放映権としては過去最大となる。スマートフォンで動画をいつでも安く見られるようになり、プロスポーツのコンテンツの楽しみ方が変わる転機となる。
増えてた!!!
あと会見に行った記者さんのTwitterでは。
1.契約の見直しはある。あくまでボトムの契約
2.有料放送の契約。地上波の契約はまた別にやるので地上波でできないとかではない
だって!
というわけで今回は放映権料がテーマ。
一般的に放映権というのは各クラブに分配されています。
今回はこの分配金とリーグのデザインについて考えてみましょう。
プレミアリーグ
現在隆盛を極めているプレミアリーグ。まずこのリーグのデータを見てみましょう。
【欧州サッカー放映権事情】圧倒的プレミア勢、最下位クラブがバイエルン超す。合計2位はセリエA、リーガは2強とその他の格差目立つ | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!
チェルシー:1億2400万ユーロ
マンチェスター・シティ:1億2400万ユーロ
マンチェスター・ユナイテッド:1億2100万ユーロ
アーセナル:1億2100万ユーロ
リバプール:1億1600万ユーロ
トッテナム:1億1100万ユーロ
サウサンプトン:1億300万ユーロ
エバートン:1億ユーロ
スウォンジー:1億ユーロ
ストーク・シティ:9700万ユーロ
ニューカッスル:9700万ユーロ
クリスタル・パレス:9600万ユーロ
ウェストハム:9500万ユーロ
ウェスト・ブロムウィッチ:9000万ユーロ
レスター・シティ:8800万ユーロ
サンダーランド:8600万ユーロ
アストン・ヴィラ:8400万ユーロ
ハル・シティ:8200万ユーロ
バーンリー:8000万ユーロ
QPR:7900万ユーロ合計:19億9400万ユーロ
平均(合計/20クラブ):9970万ユーロ
リーグ内格差(1位クラブ/最下位クラブ):1,57倍
隆盛を極めているプレミアリーグ。実はリーグ内格差は1.57倍。
極めて平等なリーグということができます。実際今年レスターが優勝しましたしね。
また以前下記ブログでも分析しましたが、観客動員数が非常に安定しており下位クラブでも観客動員が落ちないリーグと言えます。
(黄色がちょっと動員下降傾向かなと思うクラブ。あくまでざっくりですが)
5大リーグの一部リーグ所属クラブ。ここ10年の観客動員数の推移
破産したレスターを資本家が買取ったことでプレミアリーグ制覇。
スタジアムなどへの投資もいろいろなクラブで進んでいる。
つまりプレミアリーグはどのクラブにもチャンスを残すことで高い観客動員や満足度を維持しているといえるのです
ブンデスリーガ
ついでリーグ内格差が少ないのがこのリーグ。ブンデスリーガ。
バイエルン・ミュンヘン:5100万ユーロ
ボルシア・ドルトムント:4300万ユーロ
シャルケ:4200万ユーロ
レバークーゼン:4100万ユーロ
ボルシアMG:3700万ユーロ
ハノーファー:3600万ユーロ
ヴォルフスブルク:3500万ユーロ
シュトゥットガルト:3300万ユーロ
マインツ:3200万ユーロ
フライブルク:3100万ユーロ
ブレーメン:2800万ユーロ
ホッフェンハイム:2800万ユーロ
ハンブルガーSV:2800万ユーロ
フランクフルト:2600万ユーロ
アウクスブルク:2400万ユーロ
ヘルタ・ベルリン:2300万ユーロ
ケルン:2100万ユーロ
パーダーボルン:2000万ユーロ合計:5億8200万ユーロ
平均(合計/18クラブ):3233万ユーロ
リーグ内格差(1位クラブ/最下位クラブ):2,55倍
バイエルン一強リーグのように見せかけてリーグ内格差(1位クラブ/最下位クラブ):2,55倍。結構平等なリーグといえます。
大正義バイエルンがいるのは確かですがVfLヴォルフスブルクやVfBシュツットガルトが優勝したり、ドルトムントが台頭した時期もありましたね。
実際観客動員数もプレミアリーグと張り合えるような高水準。
ここも下位クラブが観客動員をほとんど落とさないことで全体を押上げ、欧州最高レベルの優良リーグの地位を確立いたしました。
セリエA
ユベントス:9400万ユーロ
ミラン::7300万ユーロ
インテル:7200万ユーロ
ローマ:6300万ユーロ
ナポリ:5900万ユーロ
ラツィオ:5200万ユーロ
フィオレンティーナ:4400万ユーロ
トリノ:3700万ユーロ
サンプドリア:4700万ユーロ
ジェノア:3500万ユーロ
パレルモ:3400万ユーロ
ウディネーゼ:3100万ユーロ
カリアリ:2900万ユーロ
パルマ:2800万ユーロ
アタランタ:2800万ユーロ
キエーヴォ:2800万ユーロ
エラス・ヴェローナ:2600万ユーロ
チェゼーナ:2300万ユーロ
サッスオーロ:2200万ユーロ
エンポリ:2100万ユーロ合計:8億3600万ユーロ
平均(合計/20クラブ):4180万ユーロ
リーグ内格差(1位クラブ/最下位クラブ):4,48倍
ユベントス以外全クラブ動員が落ちているんじゃね?
って感じのセリエA。リーグ内格差もいい感じに開いております。
勝てない下位クラブが動員を落とすという日本では当たり前の現象。プレミアでもブンデスでも起きていませんでしたがセリエAでは起きていますね。
上位クラブでも動員が落ちているのもJリーグにそっくり。
まあリーグの存在感の低下とかスタジアムの老朽化(逆にスタジアムを新しくしたユベントスは動員を伸ばしている)、八百長なんかがありましたからね。
起きている現象は一番Jリーグに似てるかも。停滞感というかそういうものを感じますよね。
リーガエスパニョーラ
レアル・マドリー:1億6300万ユーロ
バルセロナ:1億6200万ユーロ
バレンシア:4800万ユーロ
アトレティコ・マドリー:4600万ユーロ
セビージャ:3300万ユーロ
ビジャレアル:3200万ユーロ
アスレチック・ビルバオ:3200万ユーロ
レアル・ソシエダ:2500万ユーロ
マラガ:2400万ユーロ
エスパニョール:2300万ユーロ
セルタ:2100万ユーロ
ヘタフェ:2100万ユーロ
レバンテ:2000万ユーロ
デポルティーボ:1900万ユーロ
グラナダ:1800万ユーロ
エルチェ:1800万ユーロ
アルメリア:1700万ユーロ
コルドバ:1700万ユーロ
ラージョ・バジェカーノ:1600万ユーロ
エイバル:1500万ユーロ合計:7億7000万ユーロ
平均(合計/20クラブ):3850万ユーロ
リーグ内格差(1位クラブ/最下位クラブ):10,87倍
リーグ内格差(1位クラブ/最下位クラブ):10,87倍。圧倒的な不平等リーグです。
だってこのリーグ、放映権料をクラブごとに売るんですよ。
だからレアルとバルサに資金が集中するんですね。
2大クラブ。さらにセビージャのEL三連覇。世界一の競技レベルと言われ、隆盛を極めているようにみえるスペイン。実はそんなことはありませんで・・・。
上の方のクラブはともかく下の方のクラブは観客動員減りまくりなんですね。
本人たちもそれは分かっているようで実際にこんなことを考えるくらいの状況みたいで。
リーガ、空席をTVに映すと罰金処分へ (ISM) - Yahoo!ニュース
2強のネームバリュー。競技力なんかを考えると欧州最強のリーグになってもよさそうなのに・・・。
プレミアやブンデスは下位クラブでもしっかり客を入れているので余計悲しく見えてしまいます。
スタジアムの観客こそが富を産む。商売の基本を思い出してリーグをデザインして欲しい
このようなデータからJリーグの放映権料の分配をデザインすればいいと思うんですが、その前に僕が重要だと思う考え方を。
スタジアムが満員になって、「観たいのにスタジアムに入れない」という状態になって、初めてテレビ放映権が売れるんですね。
これはメジャーリーグサッカーのインタビューに書いてありました。
「お金を捨ててもいい」と言える基盤を先に作った 米MLS・20年目の結実の理由に迫る 中村武彦(LeadOff Sports Marketing)
中村 そうです。こうした施策の甲斐もあって、今のMLSの平均チケット観客動員は2万人を超えました。チケットが売れないと放映権が売れないですから。スタジアムが満員になって、「観たいのにスタジアムに入れない」という状態になって、初めてテレビ放映権が売れるんですね。
僕もこの意見は正しいと思っております。放映権料の拡大に伴ってチケット収入の割合って実は小さくなっているんですよ。しかしスタジアムの観客こそが富を産む。これは正しいと思っております。
他にもそう考えている方はいるようで。
サッカークラブの売上はスタジアムにあり! 「デロイト・フットボール・マネー・リーグ2016」をレビュー(後編) | 近日出荷-キンジツシュッカ-
ーデロイト・フットボール・マネー・リーグでは、売上の比率の中で”スタジアムでの収入”(入場料収入、飲食での収入など)が最も小さくなったことが分かった。
にもかかわらず、各クラブは、今後売上を増やす可能性のあるものとして、”スタジアムでの収入”を位置づけていることは明かだ。ー
デロイト・フットボール・マネー・リーグってなんじゃ?とは思うんですが。
まあ僕もよくわからんw
でもお客さんに来てもらうってこと。商売の基本だと思いませんか?
ですからJリーグの放映権料の分配もお客さんが来てもらえるということから逆算して分配して欲しいんですよ!!
ビッグクラブを作りたいのはわかるけどブンデスやプレミアみたいにある程度格差を抑えておかないと多分やばい!!
本当に強いリーグは下の方のクラブも潤っている。それをよくよく頭に入れてやってほしいですね。
ツイッターで荒ぶっていますた・・・。
Jリーグの放映権料について思っていることを少し話そうと思います。
— SR (@sr2460) 2016年7月20日
日本の地上波で放送されてないのにネット?順番が逆みたいな意見について。
中国ではすでにスポーツ観戦の7割がスマホといわれています。
ネット配信なら10億人国家中国のような国にもアプローチしやすくなるのは大きい
また個人的に日本の地上波に固執しすぎるのはどうかと思っています。
— SR (@sr2460) 2016年7月20日
日本は読売グループなら巨人、のようにプロ野球とメディアの結びつきが強く入っているのは厳しいと思っています。
日本の巨大な既得権益に挑むベンチャー企業みたいな構図になるのかな?
なにしろ大変だと思う。
地上波全体の視聴率自体は落ちているわけですから、衰えゆく地上波放送(しかも参入困難)よりこれから伸びるであろうネット配信に軸足をうつすのは自然な流れだと思っています。
— SR (@sr2460) 2016年7月20日
あとものすごく個人的な話ですがJ3見られるの本当に嬉しいよ。
そう思わない?
なによりサッカーは世界1のスポーツ。単独でオリンピックに勝つ化物。
— SR (@sr2460) 2016年7月20日
中国10億人。インドネシア2億5千万人。インドはちょっと遠いけど10億人
Jリーグがアジアにメリットは小さくない
ここにアプローチするなら投資する価値はある
アジアの人はJリーグを知りたいと思ってますよ。
最後に。一番大事なのはこの契約でJリーグが成長するサイクルを作ること。
— SR (@sr2460) 2016年7月20日
放映権料を適切に分配しクラブの魅力を高める。クラブの価値を上げて投資したいという流れを作る。
例えばサンフレッチェの価値が上がってスタジアム建設という投資が行われたとする。
こういう流れを作ることが大事。
あと最後に。
— SR (@sr2460) 2016年7月20日
ちょっと嫌味な言い方になるけど、日本のJリーグを一番過小評価していたのは日本の放送局も含めた日本人ってことなんだろうね。
10年2000億の投資が実現したんだからな。
外国人の方がサッカーの持つポテンシャルを理解しているんだろうね。