先日。V.ファーレン長崎のイ・ヨンジェ選手にガンバ大阪からオファーがあるとニュースになりました。
そして今日
このニュースを見る限り、長崎に残留と思って間違いないのでしょう。
ちなみにイ・ヨンジェ選手は兵役義務が免除されているようです。
参考サイト
ただ、やはり韓国のサッカー選手の宿命を、そして彼らの決断の重さを今一度知ってほしい、そして長崎のサポーターにどうしても言いたいことがあるのでこの記事を書きました。
兵役のため常にステップアップしなければいけない韓国選手
韓国の選手は兵役義務があります。
29歳になるまでつまり遅くとも28歳になるまでの間に兵役に行き、二年間軍務につかなくてはなりません。
サッカー選手には兵役期間中に軍隊のクラブに入ることが認められています。
これには条件があり、27⇒28になるまでのタイミングでKリーグに所属しておかなければならないのです。
参照サイト
つまり韓国の選手は兵役というタイムリミットがあるため、、チャンスがあれば常にステップアップをしなければキャリアを積み上げられない宿命にあるのです。
過去記事
それでも彼らは残留を選択する
だから韓国の選手はクラブよりも自分のステップアップを第一に考える。
そう思われるかもしれません。
しかし現実に日本に来る韓国の若者はそうではありません。
小さい頃からヨーロッパでプレーすることが大きな夢だったので、今回は非常に難しい選択でした。ただ、お金とか名誉とかそういうものは確かに重要ですが、よく考えてみたらそれよりも大切なものがあるということに気がつきました。そういう意味では、来年もまたベルマーレでプレーすること以外、考えられませんでした。
~ハン・グギョン~
まだJ2に降格した責任感を感じています。サポーターの皆様には本当に申し訳なく思っています。責任を感じ2015年シーズンもセレッソの選手達、サポーターと一緒に戦わなければならないという結論を出しました。初心に戻り必ず1年でJ1に復帰をさせたいと思います
~キム・ジンヒョン~
ハン・グギョンはヨーロッパ進出の大チャンス、キム・ジンヒョンはJ2降格。
ステップアップしなければならない彼らはそれでもチームに残留しました。
チャンスを得るために来日し、のし上がるという野心を持って来日する彼らはどうして残るのでしょうか?
日本で信頼を得る選手たち。彼らに共通すること
彼らは日本語もしゃべれない中で来日し、必死の思いで言葉を覚え、サッカーの試合になればハードワークを惜しまない。
なにより彼らはチームのために尽くします。
これはサッカーの試合のみならず様々な場面でそう思うことがあります。
プレーにおいてはチームプレーを、それ以外の場面でも常にクラブのことを考えているように感じます。
義を重んじ、恩を忘れない。ステップアップしなけれればならない宿命の中で、それでも彼らは悩み、迷い、クラブのことを考える。
日本で成功する選手はエゴイストではない。クラブのために尽くす真のプロサッカー選手です。しかしそんな選手だからこそ悩む。クラブのために全力を尽くす彼らだからこそ迷う。そして時にはステップアップを捨ててでもクラブのために決断する。
そういう事実があることを知っていて欲しいです。
イ・ヨンジェと一緒に戦いたかったらJ1に昇格しろ!
兵役のないイ・ヨンジェはもしかしたら上の例には当てはまらないかもしれません。
だけど長崎のサポーターの方からは「ヨンジェはいいヤツ」と聞こえてきます。
だからきっと成功する選手が持っている、義を重んじ、恩を忘れない、そういう部分を強く持っていると思います。
僕たちベルマーレサポーターは2013年に降格をし、ハン・グギョンとお別れしなくてはなりませんでした。そしてベルマーレのサポーターはその時グギョンが流した涙を生涯忘れないです。
だからきっとイ・ヨンジェも、彼が長崎を離れることになったら、迷って、苦しんで、きっと最後は悲しくて泣きますよ。
だから勝て!
勝って!J1に行け!愛する彼と一緒に戦うとは、彼の思いに報いるとはそういうことだ!愛する彼を泣かせていいのか!?悲しませていいのか!?
違うなら勝て!勝ってJ1昇格を手に入れろ!
彼と一緒にいたかったら勝ち続けるしかないんだ!
・・・
今回の長崎にイ・ヨンジェが残留したことはきっとそういう意味なんだとそう思っています。そして彼の思いに報いるとはV.ファーレン長崎がJ1に昇格するということ以外ありえないんです。