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J1 第32節 湘南ベルマーレ対大宮アルディージャ 降格・・・。振り返りとこれからのベルマーレついて

2016年湘南ベルマーレゲームレビュー 2016年湘南ベルマーレ

2016年10月22日。

湘南ベルマーレが再び降格。前年J1で8位。

持たざるクラブである湘南ベルマーレが様々な努力を重ねついに光を浴びた。

しかしそれを維持するだけの力はまだベルマーレにはありませんでした。

 

ボランチの大誤算

年初にこのような予想を立てていました。

湘南ベルマーレの2016シーズン戦力分析と次のサイクルまでにするべきこと。

 

この予想で今年はまだ「なんとかなる年」だと思っておりました。

事実編成的には予算内ではありますが出来る限りのことをやっていました。

しかし第一の誤算はボランチでチームが崩れたこと。

「今年。このポジションのせいでチームが壊れることはまずないであろう。」

と書きましたがこのポジションでチームが崩れました。

下田、パウリーニョを押しのけてレギュラーポジションを確保したのは予想通り石川。彼の力を考えればこれは全くおかしなことではありませんでした。

ただまさか俊介が長期離脱をしてしまうとは・・・。

唯一守備的な要素を強くもった彼の離脱でもっとも手堅いと思っていたボランチが弱点になってしまったのは痛恨でした。

資金力の乏しいクラブは選手層のところでどうしても差が出てしまうのですがアーリア、岡本を補強しても唯一無二のキャラクターをもった俊介の穴はどうしても埋めることができませんでした。

年初の予想に守るという点では坪井などがいると書きましたがそれは菊地俊介という男が1列前で睨みをきかせているからこそで、彼がいなくなったことでDFラインのビルドアップ能力、高さ不足など内在していた問題が一気に噴出してしまいました。

DFラインを三竿、バイア、岡本でいくならなおのこと俊介の高さは必要でしたし、岡本を坪井にしたとしてもビルドアップは怪しいままでしたので、ボールを動かす能力と守備力のバランスを考えるとどちらにせよ俊介は絶対必要な選手でした。

彼がいなくなったら厳しいなんて書いてないので、結果論を言っているようで嫌なのですが事実本当に痛かったのは永木よりも俊介の方だったと思います。

 

不安があたってしまったゴールキーパー

湘南ベルマーレの2016シーズン戦力分析と次のサイクルまでにするべきこと。

ゴールキーパー。もしもチームが今年壊れるとしたらここだ。

と書きました。はっきり書くと批判されそうですがここは残念ながらあたってしまったと思います。

2010年、2013年とJ1ではゴールキーパーを固定できなかったベルマーレ。

今回のJ1でもこのポジションで問題が起きてしまいました。

 

 

これはあくまで僕の持論ですが「ゴールキーパーの差で勝ち点10は違う。」

「本当に強いチームにはいいキーパーがいる」

こんな風に思っています。

そしてこれははっきり言っておきますが貧乏なクラブが良いゴールキーパーを獲得し続けるのは至難のわざです。そしてここをどうにかしないとベルマーレはJ1を目指して行けないと思います。

ただしこのポジションに関してはフロントは既に動いていてスペインから名コーチを招集。獲得するのではなく育てるという発想でこの問題をクリアしようとしています。

アカデミーGKプロジェクトリーダーにジョアン・ミレッ氏 招聘のお知らせ « 湘南ベルマーレ公式サイト

 

先ほど貧乏なクラブが良いゴールキーパーを獲得し続けるのは至難のわざと書きましたのでこの発想でプロジェクトを進めたフロントは正しいと思います。

 

2013年と2016年の降格は問題の質が違う

ここから降格の話をした後、少しずつ未来の話を。

2016年の降格はいままでと質が異なるものだと思っています。

なにがなんでも昇格を!と頑張って昇格したらもう成長の上積みが残っていなかった2010年。

成長著しい選手。今まで育ててきたユースの選手。湘南ベルマーレが長年時間をかけたものをぶつけたもののまだ力が及ばなかった2013年。

そしてその長い時間をかけたものがついに結晶になった。これが2015年の残留だと思っています。

つまり今まではそもそもJ1のクラブになるための積み上げが足りなかったんですけど、今回はJ1でやっていけるだけのものを構築したけどそれを維持できなかったんですよ。

そしてその維持という問題は現場の問題を飛び越えてベルマーレの経営とかおかれている環境とかそういう次元の問題になってしまうんですよね。

だから今までの降格とは質の異なるものだと思っているんです。

これはたしか株主総会で話していたと思うんですが、2015年にShonan BMWスタジアムでなくもっと収容人数の大きなアルウィンで試合をしたと試算するとそれだけで1億7千万円くらいは違っていたらしいです。

 

ある意味応援するのがすごく辛いクラブになるかもしれない

これからベルマーレは応援するのがすごく辛いクラブになるかもしれません。

次J1にいつ昇格するかは分かりませんがそこで残留したとしても今年の繰り返しになる可能性が極めて高いからです。

いくら積み上げても維持する力がなければ一瞬で崩されます。

こういう話をすると「鳥栖は好成績を上げたあとに戦力を維持した。できないのはフロントの怠慢」あたりの反論がきそうですが鳥栖は残留した翌年に約3億の営業損益を計上しています。

Jリーグチーム情報 サガン鳥栖 財務データ | FootballGEIST

 

この3億という数字は大分トリニータがぶっ壊れてしまった2009年の営業損益とほぼ同額。つまりクラブが1つ吹っ飛ぶほどの金額だと考えてください。

Jリーグチーム情報 大分トリニータ 財務データ | FootballGEIST

 

またあんまり細かく言ってはいけないと思うのですが移籍金でクラブを成長させることは現状不可能だと思ってください。

欧州は契約を拒否した選手を干す文化があるので移籍金は割ときちんととれる傾向にあります(選手はかわいそうだとおもいますが)。南米は共同保有というシステムがあります。(なくなるかもしれませんが)

元広島・ドウグラス、中東移籍の内実。WIN-WINの関係を築く“部分買取”による完全移籍【職業:サッカー代理人】 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

 

年初の記事で

また彼らは移籍金を残してくれた。もしも0円で出て行かれたらこの編成は不可能だったであろう。

 

と書きましたがいろいろ話を聞いてみるとどうも今の移籍環境では複数年契約を結んでも移籍金は相当少額のようです。

(それもフロントの怠慢といえばそれまでですが)

 

つまり普通なら若く有望な選手を売ってクラブを成長させるという手段が存在するのに、その手段が使えないのです。

今のクラブコンセプトを継承していけばいい選手が集まってきて、彼らが成長する可能性は大いにあると思います、しかし極論を言えば若い選手を使って育てても安い金額で引っこ抜かれるので、育てるというクラブの方針自体が間違っているのかもしれないのです。

湘南ベルマーレというクラブは川崎や横浜といったビッグクラブに囲まれています。

そのようなクラブが生きていくためにベルマーレは「クラブの特色」というものを突き詰めてきたと思っています。

サッカーの戦術における「湘南スタイル」、それに沿った選手の獲得。ユースの育成方針にもそれは現れていると思っています。

ユースは10分も見ればベルマーレのトップチームのサッカーを色濃く受け継いでいると判断できるくらいのものだと感じています。

ベルマーレのクラブコンセプトはクラブ独自の魅力を作ってきたと思いますし、本当によくここまで積み上げてきたと思っています。

しかし魅力的なサッカーをすればするほど、輝く選手を育てれば育てるほどそれは他のクラブにとっては「手軽に獲得できる優秀な選手」になってしまうのです。

 

J1で生き残り続けるヴァンフォーレ甲府

「同じような資金力の甲府にできるんだからできるだろ」という意見があると思います。それは正しいです。

僕は甲府というクラブは本当にすごいクラブだと思っています。

つまらないサッカーとか揶揄されてますが甲府は本当にすごいクラブです。

そもそも甲府ってむちゃくちゃ面白いサッカーしていたんですよ。

でもそれで2年で降格してそこからJ1で生き残るためのサッカーを必死になって模索してきました。

湘南と同様の資金力でそれでも生きる。そしてたどり着いたのが今のサッカー。

Jリーグチーム情報 ヴァンフォーレ甲府 財務データ | FootballGEIST

 

若手の移籍はある程度割り切る。しかし要所は若手より移籍リスクの低いベテランで固める。そしてストライカーだけはどうしても足りないので当たるまで回す。

守備的と言われようがなんだろうが資金力のないチームが守備をするのは古今東西普遍的な事実ですし、タスクが限定されている分仕込む時間も湘南のサッカーより少なくてすむ。なにより本当に徹底的にやっている。

ベルマーレと異なる哲学かもしれませんが本当に尊敬しています。

今年降格するか残留するか分かりませんが新スタジアムの話が具体化しつつあるそうで仮に落ちたとしても今回のJ1でクラブとして新しいステージに進むだけの戦いができたと言えると思います。

www.muroktu.com

 

クラブコンセプトをどうするかは各々で考えて良い問題だと思う

最下位転落も貫く「湘南スタイル」。次のステップに向け、監督と経営者が共有するビジョン | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!

「予算が15億円のクラブが末永く生き残ろうとするのならば、引いてカウンター狙いに徹したほうがリスクは取らない。そうではなく、小さいクラブなりに『日本のサッカーを強くしよう』という思いをもって進んできたからこそ、選手も成長してきた。

 

 

会長がこんなお話をしていました。

多分これはとても大切な話。

クラブコンセプトを見直しJ1に残る方向に舵を切るのか?クラブコンセプトを変えずに進んでいくのか?

クラブが考えるという話ではなくて自分の中でもう一度よく考えてみるのがいいと思います。

多分このクラブはこれからも勝利以外にもいろいろな価値を追い求めていくと思うのでそれが合わない人には本当に応援してて厳しいクラブになると思っています。

(ベルマーレが勝利に向き合っていないという意味ではないです。ただ向き合っていないと感じる人には本当に応援してて辛いクラブになると感じている。ということです)

 

 

そのような要素を内包しつつ横たわる資金力の問題。スタジアムの問題。

責任企業の問題。その他いろいろ。

1人のサポーターではとても解決が困難な課題がこれでもかというくらい押し寄せてくると思っています。

シーズン終わったら考えられる時間があると思いますのでこれからのベルマーレについて考えてみるのがいいような気がしています。

 

 

長くなりましたがこれで終わります。