先日のサンフレッチェ広島戦は負けてしまい残念でした。
ただその中ですごくワクワクするシーンがありました。
それは88分。ベルマーレが1点負けている場面です。
神谷優太(青森山田高校→湘南ベルマーレ)
— SR (@sr2460) 2016年8月13日
高卒一年目ルーキー。
ドリブル4人抜き。
こいつはやっぱり何か持っている気がする。
プレーもそうだが立ち振る舞いや言動。
雰囲気がある。
育てられるか?多分クラブの価値に直結する。 pic.twitter.com/r3kRB9zGCo
この4人抜きに痺れた。と同時に彼は何か持っているのかもしれない。と感じ
やがてくる未来が少しだけ見えた気がしたのです。
目に力がある。神谷優太
僕は彼が入ってきた時にここまでやるなんて思っていなかったです。
高校サッカー選手権で青森山田でプレーしているのを見て才能があるとは思いましたがまだまだ高校生のプレーでした。
と同時に彼の持つなにかギラギラしたものが印象に残っていました。
実際それは首脳陣も同じだったようで
【ボイス:2016年1月15日】2016新体制発表記者会見 « 湘南ベルマーレ公式サイト
–本日欠席の神谷選手について、プレミアや選手権などで見た印象を曺監督と小原強化部長にお伺いできればと思います。
監督:我々のチームの練習に夏も加わってますし、彼のその小さい頃からどのように人生を送ってきたかというのも、直接的ではないですけども、いろんな人の話を聞いて知ってはいるつもりです。彼は非常にテクニックとかセンスという部分を皆さんから良いと言われていることをよく目にしますが、僕は彼の目力には期待してます。
高3にして、目に力がある子ってうのは、なかなかいないと思っているので、その目力に恥じないような指導をしてかなきゃいけないと思ってますし、いろんな意味で向上心がさらに彼の中に芽生えるように、ここにいる選手たちと一緒に、なんていうか、大事に育てるつもりとかまったくないんですけども、本当に良いサッカーの喜びっていうのが、若い選手たちに伝わるような、そういうことを少しでも理解してもらえるように、僕は頑張っていきたいなと思っています。
小原:私の方は、夏は水戸ホーリーホックにいたもので、直接、彼をスカウトの対象として見てはいなかったのですが、もちろん選手権だったりプレミアリーグであったり、また、昨日のトレーニングには参加をしてまして、そこを見た印象としては、やはり判断の速さであったり、技術の高さという部分ではプロでも今後また伸びていくと、非常に可能性を持っているなということは感じてます。曺監督が言ったように、目力というところもスカウトをやっている者の中で、非常に重要なキーワードだと思ってまして、そこのところも含めて、オリンピック代表のほうにまで食い込めるような選手に、責任を持ってサポートしていきたいな思っています。
というように目に力があると評しておられました。
そのギラギラした印象はプロに入ってからも全く変わらずインタビューなどでも「自分はレギュラーをとってチームを引っ張る」「ルーキーだとかそういうふうに思っていない」という趣旨の発言をよくしていました。
(ネット上に出典が無いのですがこの子は確かに言ってます)
生意気?普通の優しい子だよ
発言は強気だし向上心があるのでインタビューだけ見ると生意気で近寄りがたいように印象があるかもしれませんがこの子は普通の優しい子。
キックオフパーティーの時に形式上お酒を持つのですが、周りの人にずっと「飲んじゃダメだよ」って言われて照れていたり、馬入で写真やサインを頼むと初々しい笑顔で対応してくれたり。会えば普通の優しい10代の少年なんです。
サッカーの面でも実際は葛藤はあったようで、チョウ・キジェ監督とクラブハウスのお風呂に入った時に
「ヴェルディから青森山田に行くときに成長したいと同時にうまくいかない現状から逃げたい気持ちもどこかにあった」
「レギュラーを取ると言っているけど一方で今の自分の力では難しいこともわかっている」
というようなお話を随分したらしいです。
(青森山田時代のことは出典MARE 2016.5 vol.28。レギュラーの話もどこかにあったはずです<探しているんですが見つからない>)
発言は強気でもとても優しくて初々しい神谷くん
忘れられない名古屋グランパス戦の涙
そんな神谷は青森山田でやっていた攻撃的なポジションではなくボランチで頭角を現すことになります。そしてついにリーグ戦初スタメンを獲得した名古屋グランパス戦。
その試合は忘れられない試合になりました。
最下位に沈むベルマーレはグランパスから先制。しかし後半ボランチ神谷の信じられないミスから同点に追いつかれてしまうのです。
試合は菊池大介が決勝ゴール。2-1でグランパスを下します。
しかし試合後神谷優太は号泣
「嬉しさと、悔しさと、申し訳ない気持ちだった」
彼にとっても、そしてサポーターにとっても忘れられない涙の試合となったのです。
2016年5月29日(日)1st 第14節 VS 名古屋グランパス « 湘南ベルマーレ公式サイト
神谷の成長曲線ははっきり言って想像を超えている
しかしその後も神谷は出場機会を勝ち取り続けます。
真新しい吹田スタジアムでのガンバ大阪との激闘。
涙のグランパス戦の後
次は自分がみんなを助けるプレーをしたい
と語ったように新潟戦では決勝ゴールをアシスト
浦和レッズ戦ではついにスタメンフル出場を果たすことになります。
出場機会を掴んだ当初たどたどしかったプレーがだんだん滑らかになり、繋ぐパスと勝負するパスをうまく使い分けるようになったり。
試合中に打つシュートがどんどん可能性を感じるものに変わってきていたり。
正直この子の成長曲線は予想を超えている。
ちょっと目を離すともう別人になっていそうな。なんだかそんな予感がしているのです。
先日の広島戦での4人抜き。今の彼ならできるかもしれない。
ただ高校サッカー選手権で神谷勇太を見たときに、たったこれだけの期間でここまで来るとは全く想像できなかった。
だからあの4人抜きを見たとき彼の未来を見たのです。
ああ。この子は将来すごい場所まで行くのかもしれないと。
雰囲気。立ち振る舞いや言動。そして練習後に馬入で見せる謙虚で穏やかで優しい姿。 やっぱりなにか持っている気がする。
できればその成長をできれだけ長くこのクラブで見ていたいと思っています。