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サッカー漫画レビュー第一弾 昇格を巡る物語。能田達規先生の名作 「ORANGE」

昇格するってなんだろう。どういうことなんだろう。

湘南ベルマーレがまだJ2にいた頃。ボロボロのスタジアムに人はまばら。

まだ僕が昇格するということを知らなかった頃。僕は「ORANGE」という漫画に出会いました。

 

 

愛媛の貧乏チームが昇格を目指す

舞台は愛媛県南予市。

Fリーグ2部(現実でいうJリーグ)に参戦している弱小クラブ南予オレンジ。そこに高校生ストライカー若松ムサシが現れます。

南予オレンジに入団したムサシは東京の名門クラブから来た青島コジローと共にチームを引っ張り1部昇格を目指す。という物語です。

2部から1部に昇格するというテーマは珍しいですが素晴らしかったのがそのリアリティ。

勝ち続けるにつれ少しづつ増えるサポーターの数。日本代表への招集拒否。サポーター同士の分裂。行政との関係。

現実に起こりうる、いや起こっていることが非常に細かくリアルに描かれています。

そして何より昇格争いが佳境に近づくにつれ増す物語の真剣さ。

初めの方は「おまかせピース電器店」(作者。能田達規先生の作品。とても面白い)のようなコミカルなギャグ要素も多かったのですが、そのような要素はどんどん無くなり、昇格を目指すための真剣さがクローズアップされていきます。

どんどん濃密になる試合の描写。負けたら終わりのギリギリの緊張感。

長いリーグ終盤戦。そのたった一試合。

そのたった一試合の重要性がこれでもかと詰まっています。

この漫画の終盤にこんなセリフがあります。

「・・・ホントにいいのかな。オレンジみたいのがF1に行って」

「早く寝ろ。勝てばすべてがわかる。」

・・・

「勝たなきゃなんにもわかんねーよ」

 

僕の応援したクラブは2009年についに昇格を果たしました。昇格するってなんだろう。どういうことなんだろう。ずっと知りたかった気持ちをそのとき初めて知りました。

あれから様々な経験をした今でも思います。この漫画はフィクションです。

だけど・・・昇格を目指す物語。その真実が描かれていると。