ベガルタ仙台戦のアンドレ・バイア選手は非常に素晴らしいパフォーマンスを見せました。近年DFの評価は点が取れるとか。足元の技術が上手いといったわかりやすい要素ばかりが評価されがちですがアンドレ・バイアのプレーを見ていると、DFはまず守れることが重要だということを改めて認識させてくれます。
的確なポジショニング
49秒からのシーンですがきちんと相手を視界に確保しながらポジションを取りボールを出されたあともしっかり併走しています。結局シュートを打たれていますがこの角度ならばシュートコースはほとんどないためまず問題ありません。
2分14秒のシーンでも島村が戻れてないうちはきちんとディレイの守備をして、中に切り込まれてもシュートコースはきちんとケアしています。
ディレイの守備は最近批判されることが多いですがこの状況で相手に突っ込んだらGKと1対1になってしまいますから正しい判断と言えます。
この動画では収録できませんでしたが相手がボールを背負っている時にアンドレはまず先に足を出してボールに触りにいきます。
守備はボールを奪うことが第一だと考えている証拠です。
非常に高いヘディング技術
アンドレは身長182cm。DFとしてはそれほど大きくありませんし、跳躍力も飛び抜けてはいません。ただしボールの落下地点に正確に入ることとヘディングの技術は非常に高いものを持っています。
1分40秒くらいのシーンですが後方に走りながらきちんと落下地点に入りヘディングで味方にボールをつないでいます。
3分15秒、3分35秒、4分5秒、4分11秒。彼の正確なヘディングで助けられたシーンは多かったです。
マークを外さない
4分25秒から始まるシーンでは。
きちんと手を使って相手との距離をはかりながら的確に守備についています。
相手選手が自由にできていませんね。
あまり手を使いすぎて引っ張ったりするとファールを取られてしまいますがこれなら問題ないです。
5分42秒のコーナーキックのシーンでも巧みに相手の動きを限定して先にボールに触っています。
ボールウォッチャーになって簡単にマークを外してしまう選手って結構いますからこういうことをちゃんとやってくれるのは非常に助かります。
状況判断のよさ
4分45秒くらいから始まるシーン。
このシーンに僕は最も唸りました。
相手にボールが奪われたあと、アンドレはその場で残り仙台の31番茂木のマークにつきました。CBがここに残るのはセオリー外の行動です。しかしこの判断は正しい。
5分9秒を見ると分かりますが相手のFW1人に対してベルマーレのDFは二人。
味方がきちんと戻っているのですからアンドレは茂木のマークにつくことを選択したのです。実際彼がマンマークについた事でパスコースが無くなり、ボール奪取に成功しました。
DFリーダーとしての能力も高い
5分54秒くらいから始まるシーンですが最初11番の金園をマークしていました。
この状況で三竿にウィルソンのマークを外さないように指示を出して、金園を島村(だと思います)に引渡し自分は裏のスペースをケアしました。
その次のシーンでは一瞬金園について行ってスペースを空けそうになりましたが、永木に指示を出してマークを任せました。
三竿がちゃんとマークについていたので自分はウィルソンのマークにつきました。
ちなみにここでよく見るとわかるんですが相手がボールを蹴るモーションをした瞬間にはスペースを埋めに戻っているんですよね。
DFの評価をきちんとしてほしい
アンドレは身長も跳躍力もそれほど高くありません。
足は遅いほうだと思います。
しかし守備の基本に忠実に守っていればきちんとチームに大きく貢献することができます。日本人は体が小さいからいいDFが育たないとか言う前にまず守備の基本をしっかりマスターすることが重要だと思います。そしてそれをきちんと評価しないとダメだと思います。
得点力があるからとか足元の技術とかわかりやすい部分ばかり評価していたら本当に守れるDFは育たないのです。